芸術家
紫雲出山の桜
猫に見える狸
山口県萩市 松陰神社
山口県下関市 唐戸市場
勝ったのは、創立13年が過ぎた維新だった。
4月に統一地方選挙があった。去年の安倍元首相の事件や、そこから端を発した統一教会の問題や防衛問題など、さまざまな点から選挙に目が向いてもおかしくない状況だったが、結果は、前後半いずれも平均投票率は前回を下回り、過去最低だった。
いつものように漠然と頭の中で理由を考えてみた。投票率が上がれば、世の中は良くなるのか。わからない。では、投票率が上がれば政治は良くなるのか。わからない。
もしかしたら、投票に行かない有権者には、投票に行くだけの理由が無いのではないだろうか。喉が渇いたら、水を飲む。雨が降ったら、傘をさす。でも有権者は、喉もさほど渇いてはいないし、雨も雲行きはあやしいものの、降ってきてはいないのだ。
『傷ついた心を芸術に変えて』という言葉を大事にしたのは、女優のメリル・ストリープだ。
2015年にトランプ前米大統領が支持者の前で、腕に障がいのある記者のモノマネをした映像を見て非常に傷ついた彼女は、自らのゴールデン・グローブ賞授賞式で、トランプ氏を公然と非難した。
メリル・ストリープの動画https://youtu.be/OiP_GtuFMeE
民主主義が停滞した時、大きく影響を受ける仕事の一つに、芸術家がいる。なぜなら、民主主義の充実は自由の確保に繋がるからだ。芸術の領域が自由の領域と重なるなら、芸術家にとって自由は、酸素や水と同じかもしれない。芸術家にはぜひとも、政治に対して何か感じるものがあるならば、恐れず声をあげてほしい。日本の著名人、特に僕ぐらいの世代やその下の世代は、一部の人を除きあまりにも声をあげなさすぎる。影響力のある著名人が発するメッセージは、社会の中でこそ価値を持つ。
芸術家ではなくても、僕も含め、みな芸術性は持ち合わせている。何かから影響を受けて、自分自身の何かを発していく行為を発展させていけるのが社会なら、傷付いた心をありのまま表現すると、また誰かがそれを大事に受け取ってくれるのも社会だと思う。だから、僕らも声をあげ続けていくんだ。今は、小さくとも。
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